ずっと前から好きだった
翔弥も、めいも
周りの人達も
飯島は私が好きだと言った
だけどそれはただの
外見だけの判断で
現実は
素直になった
私が傷つくだけ。
「俺さ―――――――。」
そう言って歩きだした飯島は
私の一歩前にいた。
近いはずなのに
なぜか遠いよ
その手を握りたい
離したくない
離れたくない
どうか遠くに
行かないで。
「中1から付き合ってた奴がいて
中3の途中で、そいつから
突然別れようって。
理由は言わなかったけど
『嫌いになったんじゃない。
まだ好きだけど…………』
って言って
俺の前から消えた。
学校からも、日本からも。」
「日本から…も?」
「そいつはさ、
ピアノが上手くって
パリに留学したって。」
「…………中3で!?」
「ははっ
すごいよな。」
ねえ飯島
今どれだけあなたが
切なそうな顔をしてるか
知ってる?