ずっと前から好きだった


新学期が始まって数日

あれから彼と
まだ話していない

始業式も
クラスでも

隣にいるのに


話せない




「火曜日にある体育祭について―――」


実行委員の話しが始まって
クラスの生徒は
話しをやめた。


私の学校では
この時期に体育祭も文化祭も
行う事になっている。



今日から放課後練習があると
報告をうけ、
またクラス内は
にぎやかになった。



飯島は私の隣の席で寝ていた


こんなに近いのにな


飯島を見ると
いつもそう思う



「華奈子~」


猫のような甘い声で
めいが私の席まで来た。


「最近話していないでしょ」

「………………。うん。」

「話しかけなよ~」


めいは横目で飯島を見た後
小悪魔のように私を見て笑った


「……………無理」

「なんで~?
 なんかあった?」

「……………。」




ぎゅっとしてもらったなんて
言えるわけがない。

こんな私達の関係
自分でもわからないのに
言えるわけがない。


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