ずっと前から好きだった
「寒い…」
学校を出て
一人冬の寒さの中
事務所に向かった。
「ハッピーバレンタイン!」
「かなちゃんだ!
お菓子だー」
「美味しそう」
「さっすが、かなちゃん」
事務所にいた大人達は
私の作った
チョコやらクッキーやらを
喜んで受け取ってくれた。
「社長、いますよね?」
「いるいる。
そこで待ってるよ」
「ありがとうございます」
扉を開けると
佐々木社長が椅子に
背をもたれて座っていた
「おぉ、かなちゃん。
そこに座って」
私は佐々木社長と
向き合うように座った。
「単刀直入に言うけど…」