UTAHIME
「そうなの?知らなかった。
ねぇ、もしかしたら本当にNAOって
名前でこの菜緒だったりして。」
そう言って2人は私を見る。
ギクッ
「まさかね~。もし本当に菜緒だったら
あたしが知らない訳ないもんね。」
「そっそうだよ。
バカだなぁー、2人とも。
あたしが、NAOな訳ないじゃん。」
アハハハハハ・・・
ハァー。危なかった。
もう少しでバレる所だったかも。
そう。私、矢沢 菜緒には
誰にも言えない秘密がある。
実は私は本当にNAOなのである。
私の秘密を知っているのは
親しか知らない。
そう、優希も知らない。