\;貴方依存症;/
「冬雪は冷静だね。少しぐらいドキドキしたっていいのに…。」
ドキドキぐらいする。
抱きしめて、俺だけのモノだと、言ってやりたかった。
離さないからと言ってやりたかった。
でもここで誰かに見つかってしまったら大問題。
彼女の幸せを壊したくない。
彼女の幸せのためなら、気持ちも言葉も隠し通してやる。
「先生。今は授業に集中しなきゃいけないので。すいません…。」
そんな俺の言葉を聞いて知嘩仔は悲しそうな顔をした。
隠して笑って傷つけて。
でももう傷つけたくなんてない。
だから教室に入る前に、耳元で素直な気持ちをささやいた。
「ドキドキしてるよ…、ずっと。愛してる…。」
いつもなら俺が笑って、彼女が照れているけど、今だけは逆の立場。
彼女が嬉しそうに笑って俺が頬を赤くして照れる。