\;貴方依存症;/
冬雪はプリントを落とす私を見て駆け寄ってきてくれた。
「俺のことを?」
プリントを集めながら。
とても冷静に。
「当たり前じゃん。ずっと大好きだったよ…。」
「ごめん。いきなりすぎて何も言えない。」
この女子はすごい大胆なことをする。
担任がいるのに関わらず大胆な告白。
少し尊敬したぐらいだ。
多分冬雪の答えを聞いて安心したから、こんなことを思えるだけだと思うけど…。
「うちはいきなりじゃないよ…。ずっとずっと、好きだったから…!」
「…俺にはいきなりだ。ごめん。俺帰るわぁ。」
冬雪はカバンを持って教室のドアに手をかける。
後ろで泣く女子を残して教室を出て行った。
私を残していった、あの時のように。
教師として、この子を放っておくわけにはいかない。
「…大丈夫?」
ただただうなずくだけで何も答えなかった。