\;貴方依存症;/


少し落ち着いてきたみたいなのでとりあえず席に座らせた。



外を見ると、今日の空も綺麗で、なぜか冬雪のことを思い出してしまう。



「先生、私…。もう冬雪に嫌われちゃってんのかなぁ…?」

しょんぼりした顔で、私を見る。

近くでよく見てみると、かなり可愛い子。

「そんなことないと思うよ。きっと………ん-…?えっと………。ごめん。名前何だったっけ…?」

私がはっきり覚えている名前は"幸田冬雪"。
それだけだった。

申し訳ないけど、この子の名前も覚えていない。

「あっ、そっか。こちらこそごめん!"水野春菜"ですっ!よろしくねぇ♪ちぃチャン!」

「水野さんね-…。ってかちぃチャンって何!?私??」

「ぅん…!だって先生の名前"知嘩仔"でしょっ?じゃあちぃチャンでいいじゃん!ってか先生も"はる"って呼んでよぉ。」

少し元気を取り戻した様子で安心した。

「まぁ、いっか!改めてよろしくね、はる!」

「よろしく、ちぃ!」

「あれ-?チャン付けじゃなかったっけ?」

「え-?めんどくさいから"ちぃ"でいいじゃん。」

「しょうがないなぁ…」

笑いながらふざけながら、一瞬だけ冬雪のことを忘れ合いながら、2人は笑って過ごした。



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