\;貴方依存症;/
2人で教室を出て急いで階段を下り、黙って冬雪の指示に従った。
裏道には桜の木があってとても綺麗に咲いていた
「まぁ、俺は2年だから遅刻したってよかったんだけどね-」
私の手を掴んだまま冬雪は悪戯に笑う。
「何言ってんの!?2年だからって遅刻はダメに決まってんでしょ!しかも入学式の日に!(笑)」
笑いながらやけに急に先生口調になった。
「先生に言われたくないよ…(笑)教師が入学式に遅刻ってさぁ…。ぷ。」
走りながら笑い合ってるうちに体育館についた。
「ほら速いでしょ??」
得意げになって笑顔を見せる冬雪の横顔がとても愛おしく思えた。
「ありがとう!じゃあ、お礼に名前教えてあげるよ。"伊藤知嘩仔"だから、ちゃんと覚えときなさいよ!(笑)」
そう言って急いで体育館に入った。
「また後でね!じゃあね!知嘩仔!」
細く白く綺麗な手をヒラヒラと私に向けて笑顔で振っていた。
「名前で呼ぶな!名前でぇ!伊藤先生でしょ!」
そういうと冬雪は体育館には入らずにどこかへと姿を消してしまった。
呼び止める余裕なんてなかった私は他の先生方に頭を下げた。