3を3回、2を2回






予備校に通い出したニコ。



しかしそこは、今までニコがいた世界とは全く違っていた。



茶色い髪の毛にヒラヒラしたスカートを靡かせる女子。

今までニコを囲んでいた女の子とは全く違う人種。


「絶対にあんな女の子たちとは仲良くできない…」


そう思ってしまったニコは当然のように孤立していた。




そしてそんな女子をまるでお姫様のように取り囲むチャラチャラした異性たち。

煩悩が顔に現れているといったように、可愛い女の子を見てはひそひそと小声で何かを話している。



もちろんそんな男子たちはニコなんぞ視界にすら入ってなかった。





今まで女子校という世界でぬくぬくと生きてきたニコにとって男子は恐怖の対象でしかなかった。


会話を交わすなんてもってのほかで、
目も合わせるどころか、
同じ空間にいることが苦痛でしかなかった。







可愛い女の子を見れば
「やりたい」

男はみんなそう思ってる。


じゃあ、可愛くない女の子は?




『死ねよ。』



そう思われてるに違いない。


ニコは信じて疑わなかった。





通りすがりの2人の男子を見れば
「今きっと私を見て笑ってた…」
と思い、

狭い教室で肩がぶつかれば
「邪魔だなでけー女ってきっと思ってる…」
と嘆き、



いつしか
ニコは自分の殻に籠もるようになった。





隣の席の男子に
「ごめん、赤ペン貸してくれる?」
と頼まれたとき。


ニコは急に息苦しくなり、どっと汗が出て、顔が真っ赤になるのを感じた。

その場で死んでしまうのではないかとさえ思ったのだ。






ニコは薄々感じていた疑問が確信になるのを感じた。








『私は男性恐怖症なんじゃないか?』








と。

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