3を3回、2を2回




バタン!と大きな音がしたドアが閉まりきる前にニコは布団の中に潜り込んだ。




何事かと母が部屋をのぞきにきた。


「ニコ、どうしたの?」

「なんでもない。今日、なんか頭痛くて気持ち悪くなっちゃった。」

「大丈夫なの?」

「少し寝て良くなったらまた予備校行くよ。お母さん仕事でしょ?行ってらっしゃい」

「そう…」



嘘をついた。
けどそんなこと、ニコにとってはどうでもよかった。

こんな惨めな話、母には出来ない。






布団の中でニコは携帯をいじりだした。



「誰か、誰かに話そう。ひとりで抱え込んでたら潰れちゃう…」



震える指でアドレス帳を開く。

一番上から話を聞いて慰めてくれる友達を探す。



< 7 / 29 >

この作品をシェア

pagetop