アイドル逃亡中!



ふんわり香る…
私と一緒のシャンプーの香り。


ドキドキと…
私かKyoのか…


わからないぐらい高鳴る心臓の音。


私を抱きしめている手は…

腕はゴツゴツしてるけど、
長くてキレイで…。


Kyoの胸は、
程よく筋肉がついているみたいで…


…頼もしかった。


揺れる髪が私の頬をくすぐる。



私は突然のことで、
目を開いたまま止まってた。


まさか…
抱き締められるなんて…



…思わなかったから。



否定や拒否の
マイナスのことしか考えてなかったから…。


甘い暖かい空気が、
私の不安を優しくゆっくりと溶かしていく。



不安が私の中で消えていく。


ふわっとKyoが…






取り除いてくれたような気がする。




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