アイドル逃亡中!
羅未亜「ありがとう、未和ちゃん。
…そうするわね。」
そう言って鞄に必要最低限の荷物だけを詰めて、
私はオフィスの扉を出ようとした瞬間だった。
未和「…羅未亜さんっ!」
羅未亜「…未和ちゃん?どうしたの?」
少し離れたところから何かを持って、
未和ちゃんは走って来た。
なんかいろんな意味で、
ごめんねって感じだった。
Kyoの事話せない自分も、
Kyoの事を愛してしまった自分も、
心配を掛けている事も…。
そして未和ちゃんは、
笑顔で私に一つの雑誌を差し出した。
…!!
羅未亜「…!
これ…って…」
Kyoが表紙のKyo特集の雑誌。
息が凍ったように固まる。
顔が強張るのを私は必死に抑えた。
未和「これ…あげますっ!!」
笑顔で雑誌を渡してくれる未和ちゃんに、
私は笑顔を作って受け取った。
―…私、笑ってるよね?