アイドル逃亡中!
携帯にそっと触れて、
まっすぐTVを見つめた。
TVはあの日―…
あのKyoの話を聞いた日から真っ黒。
なにも映ることもない。
なにも…
なにも映す事もない。
未和ちゃんにも
Kyoの事はTVも見てないし、
今は仕事でいっぱいいっぱいなんだ、
…と嘘をついた。
…罪悪感はいっぱいだけど。
ピーっ
羅未亜「…あ!できたっ!」
私はキッチンに小走りで走って、
オーブンの扉を開けた。
すると一斉に広がる…
甘い甘い香り。
羅未亜「できてるっと…!
今日、なんかいつもより上手にできてるっ!
ん~…いい匂いっ!!」