アイドル逃亡中!
私はあの時、
刹那に約束していた…
クッキーを作るのが、
最近の日課になりつつあった。
―…誰も食べてくれる人…
…なんていないのに。
戸棚におかれたコップ、
洗面台に置いてある
青色の歯ブラシ…
刹那が来ていた弟の服も、
使われることなんてないのに…
―…全て刹那が
使ったまま動かせないでいる。
いつでも…
戻ってきていいようにって…
―…もう、
戻ってくることなんてないのに。
私はいつになったら
刹那を過去に…
…思い出にできるんだろう。
いつまで好きでいるんだろう?
本当に、
未練がましい。