アイドル逃亡中!
第32章『幸せの形』




パタパタパタ…



小さなスリッパの音が
廊下に響く。



それは…








?「ままぁああああ!!」


小さな女の子が、
女の子の母親の元へ
必死に走って…

足元に抱きついた。




??「なぁに?

響亜(きょうあ)、
廊下は走っちゃダメよ?

怪我しちゃうからね。


怪我したら今日、
お出かけできなくなっちゃうわ。」


その声に女の子は
ぶんぶんっと頭を横に振った。




響亜「やだぁ!
きょうあ、はしらないからっ!!


あのねっ!
ぱぱったらまだねてるのぉ!」


??「あら、パパったら。
まだ寝てるの?


…ダメねぇ。」



響亜と呼ばれた女の子の母親は、
パタパタとスリッパの音を立てて、


二階の寝室へ通じる階段の下で止まった。




< 329 / 334 >

この作品をシェア

pagetop