黒蝶
泣いた。
トイレの中で声を殺して。
悲しくて泣いたんじゃない。
悔しかった。
じぶんに悔しかった。
「アイツもショボイよね~」
トイレに誰かが入ってきた。
声を聞く限り桜子達。
「キャハハッ!もっと図太いヤツだと思ってたんだけどね~」
「確かに!あんな事で逃げるなんて!!」
「まぁ、アイツが悪いんだけどねぇ」
え?
何で、あたし?
こういうのっていじめられる方が悪いの?
「大体、友達の彼氏を取ろうとするなんて最低だし!!」
彼氏・・・?
もしかして・・・あの時の・・・?
「結構、ストレス解消にもなるしねぇ」
「どんどんやっちゃお~!!」
「「キャハハハ~!!!」」
桜子達は出て行った。
あたしは真実を知って動けなくなった。