黒蝶
「陽菜~起きなさいよ~~!!」
次の日。
行きたくない。
学校に行けば、いじめられる。
「陽菜?」
「ん・・・何でも無い」
あたしは8才の冬、両親を事故で亡くした。
それからは、10歳年上の姉と住んでいる。
だから姉だけには心配掛けさせたくなかった。
「そ?朝ごはん出来てるよ」
「・・・・うん」
あたしは制服を着る。
行きたくない・・・でも行かなきゃ・・・。
さっさとご飯を食べて家を出た。
クラスに着くと、机が無かった。
「・・・・・」
呆然と立ち尽くすあたし。
クラス中が笑ってる様に思えた。
机は廃材置き場の中。
その机には“死ね”“消えろ”とか悪口ばかり書いてあった。
汚くなった机を持ってクラスの元の場所に置く。
ひそひそと聞こえる声が少し聞こえた。
でも、あたし負ける気がしない。
いずれか見返してやる。
そう思った。