超モテ子の秘密
私は裏口のドアを開け中へ入った。中にはおじいさんがいた。
「渡辺さん、こんにちは。」
「あぁ、さやかちゃん。今日もよろしく頼むよ。」
この人は、この渡辺書店の店主、渡辺秀雄さん。
今となっては、私のおじいちゃんのような存在。
「はい。渡辺さんは休んでてください。私一人で大丈夫ですから。」
渡辺さんは高齢で体調的にも毎日店に立つのは大変なのだが、長年営業しているこの店を守っている。
「ありがとう。じゃあ、そうさせてもらうよ。」
渡辺さんは奥の部屋へと入って行った。
私は荷物から落ち着いた緑色のエプロンを取り出して着る。
そして私はカウンターのそばにある椅子に腰かけた。
そう、私はここでアルバイトをしている。絶対にバレるわけにはいかないのだ―――。