超モテ子の秘密


私は裏口のドアを開け中へ入った。中にはおじいさんがいた。


「渡辺さん、こんにちは。」


「あぁ、さやかちゃん。今日もよろしく頼むよ。」


この人は、この渡辺書店の店主、渡辺秀雄さん。


今となっては、私のおじいちゃんのような存在。


「はい。渡辺さんは休んでてください。私一人で大丈夫ですから。」


渡辺さんは高齢で体調的にも毎日店に立つのは大変なのだが、長年営業しているこの店を守っている。


「ありがとう。じゃあ、そうさせてもらうよ。」


渡辺さんは奥の部屋へと入って行った。


私は荷物から落ち着いた緑色のエプロンを取り出して着る。


そして私はカウンターのそばにある椅子に腰かけた。


そう、私はここでアルバイトをしている。絶対にバレるわけにはいかないのだ―――。




< 10 / 461 >

この作品をシェア

pagetop