超モテ子の秘密


戻れるわけもないのに………



とにかく、このまま声を聞き続けて、元気な声でかえすのは、もう無理だった。



「あっ、陸人ごめんね。今帰り道なの。将太、待ってるから帰らないと。」


私は電話を切るために、また嘘をつく。


ごめんね、陸人……。



「ごめんな。気をつけて帰れよ。」


「うん。またね。」



そう言って電話を切ると同時に、私の目からはポロポロと涙が溢れてきた。


そう、もう限界だったんだ………。



私はケータイを握りしめたまま、うずくまり、声をあげて泣いた。




お父さんとお母さんは何で私たちをおいて逝っちゃったの?


前みたいに、4人で笑顔で暮らしたいよ…。


……何でなの…?




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