超モテ子の秘密


すると和也君は困ったような顔をして、黙ってしまった。


今は、出発した時より勢いを増した雨が傘やアスファルトを打つ音と、2人のゆっくりとした足音しか聴こえない。


やっぱり、和也君も教えてくれないよね…。


「約束したんであまり話せませんけど、少しだけなら。あっ、将太には内緒にしてくださいね!」


和也君は、沈黙を破ってそう言うと、少し苦笑いをした。


えっ!?話してくれるの!?

私はびっくりしてピタリと立ち止まってしまった。


「ホントにいいの?」


「そんな驚かないでくださいよ。先輩が聞いてきたんっすよ?ほら、歩きながら話しましょう。」


確かに私が聞いたんだもんね…。


少し恥ずかしく思いながらも再び歩き始めた。


「俺は将太に大したことは言ってないんですよ。ただ、昔の俺の話をしただけです。」



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