超モテ子の秘密


………??


「それだけぇ?」


驚いて声が裏返る。


本当にそれだけで、あの将太が…?


「はい。将太、カッコ悪い俺の話、真剣に聞いてくれました。そうしたら、自分の話もしてくれたんです。」


和也君は傘を持っていない方の右手をパーカーのポケットに突っ込み、事実を教えてくれた。


「そうだったんだぁ…。」


意外だなぁとしみじみ思う。


「将太、本当に一生懸命頑張ってました。…いじめはそう簡単にはなくならないかもしれませんけど、将太ならきっと大丈夫だと思います。」


そう言って、和也君は私にあたたかい笑顔を向けてくれた。


私は、

和也君の言葉と笑顔に、

もう何回、

勇気づけられたかな―――。


不思議と、

大丈夫って

思えてくるんだ。


「そうだね―――。」


私も自然と微笑んでこたえた。



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