超モテ子の秘密
着いた場所は、屋上に近い階段の踊り場。
まわりに人気はない――。
「本当にかわいいよね、さやかちゃん。俺と付き合ってくれない?」
背の高い先輩は身を屈めるようにして、私の顔を覗き込むと不敵な笑みを浮かべた。
……なんだかぞくりとして、すごく嫌な感じが体を駆け巡る。
私は思わず一歩後退した。
「…すみません。先輩とは付き合えません。」
なるべくはっきりと答える。
「そんなにはっきり言っていいわけ?たまにやらせてくれれば、それでいいんだけど。」
――最低っ…!
そして、私の右肩にだるそうな手がおかれる。
「やめてください!」
私は腹が立ち、手をパシッと払い除け、睨み付けた。
でも、先輩は今も尚、あの嫌な笑みを崩さない。
「そういえば、男がいて、しかも遠距離って噂聞いたことあんだけど、うまくいってんの?」