超モテ子の秘密
「あんた、あんなにモテてるのに男ってもんを何も知らないんだな。」
嘲笑いながら、私の手首をつかんで、壁に押し付けてくる。
「……変なこと言わないでっ!私の好きな人はあなたみたいな人じゃない!!」
――陸人は違うもん…。
そんなわけないもん……。
私は自分に言い聞かせるみたいに、精一杯強く言い放った。
「……はぁ、もっと面白い女かと思った…。」
すると、吐き捨てるように言い、更にこう続ける。
「男なんてそんなもんなんだよ。なぁ、俺が教えてやろうか?」
だんだんと迫ってきて、壁に強く押し付けられていく。
私は怖かった……。
この状況よりも、
陸人のことをあんなふうに言われることの方が――。
こんな人に、
陸人の優しい気持ちが…、
私達の大事な思い出が……、
汚されていく気がして。
そして、こんな人に言われたぐらいで、
うまく言えないけれど、
気持ちがざわつく自分が、
すごく嫌だった――。