超モテ子の秘密
「折原先輩に何してるんですか?」
ふと、冷血な声が耳に響いた。
――聞き覚えのある声…。
右側を見ると、その声の主が先輩の腕をガシッと握っていたのだった。
その正体は、やっぱり和也君。
……また助けられた…。
「なんだよ、先輩にむかって。」
そう言い終えると、最後に舌打ちをする。
「声がしたから屋上から出てくれば、こんなことになってるなんて。さっさと離れてください。」
…だから来てくれたんだ――。
和也君の手に視線を移せば、手が白くなるほどに力が込められているのがよくわかる。
「…面倒くせぇな。」
先輩は捨て台詞をはくと、勢いよく雑に和也君の手を振りほどきながら、私の両手首を離した。
――でもその刹那、
私の左の手首から
大切なものが飛び散ったんだ……。