超モテ子の秘密
真っ二つにちぎれた腕時計は、まるで今の私と陸人みたい……。
私の胸が張り裂けて、今日ずっと押さえつけていた想いが決壊しそうになる。
………私たちの絆は本当に切れちゃったのかな?
もしこのベルトが絆なら、もろすぎるよ…。
……あんまりだよ――。
「…あの、折原先輩。さっき聞こえちゃったんですけど、もしかして別れたんですか…?」
その声を聞いて、和也君がいたのだということに気付かされた。
でも、私は無言のまま俯いた。
和也君の言っていることは……事実…なんだろうけど、「うん。」と答える勇気はなかったんだ――。
「先輩にこんな顔させて、陸人さん酷いじゃないですか!」
その言葉に胸がきりきりと痛む。
「陸人のことそんなふうに言わないでよ……。」
私はそう言い残し、壊れた腕時計を握り締め、立ち去った。