超モテ子の秘密

親友のあたたかさ



…何であれぐらいで……切れちゃうのよ……?


それに何であんなヤツに言われたぐらいで、イライラして気持ちが騒つくの…?


あぁ……、もう最低……。


私は早足で歩きながら、左の手は壊れた腕時計をギュッと握り締めたままに、右手で溢れ出た涙を拭った。


そういえば、和也君に助けてもらったのに、お礼言ってない――。


それに、あんなこと言って……。


もう頭の中はぐちゃぐちゃで、気持ちを落ち着かせることができない。


……もう今日は無理だな…。


このまま堪えているなんて、無理……。


…早退しよう。


私はそう決心すると、スカートのポケットに腕時計を大事にしまい、涙をさっと拭い直して、教室に入る。


理香の姿はなかったから、私はすぐに鞄に荷物を詰め込んだ。


私はただ淡々と準備を進め、近くにいたクラスメートに頭痛で早退すると嘘を吐き、教室を出た。



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