超モテ子の秘密
まだ昼休みだから、廊下にいる生徒達の視線がどうしてもささる。
こんなときぐらい……、お願いだから、私をほっといてよ…。
私は心の中でそう願いながら、顔を俯き気味にし、ここを早く通り過ぎたくて歩く速度をあげた。
――そして、やっと学校から出られたとき、また目頭が熱くなってきた。
まわりには誰もいないけど、零れないように少し上を向いてゆっくり歩く。
唇を噛み締め、堪えようとするけれど、瞳全体がたっぷりの涙でおおわれていく。
――今にも零れそう。
涙も……、
この胸を
締め付ける想いも………。
「さやか、待って!!」
……何…?
気付けば、肩から鞄がずり落ち、膝に両手をつきながら息をきらしている理香が立っていた。
「………理香――。」
その時に、思わず涙がすじになって零れていったんだ――。