超モテ子の秘密


――パタン。


家族との思い出が詰まったアルバムを閉じる。


少しは向き合えたかな。



そして次に、フォルダ式になっている少し小さなアルバムを取り出した。


こっちも心の整理をしなくちゃね。


…大好きな人との思い出が詰まったアルバム――。


これも引っ越すときに一緒に入れちゃったんだ……。


私は、まだまだ軽いアルバムを開く。


すぐに私の目は大好きな人の姿を捉えていた。



サラサラな黒髪、前髪からのぞく優しい瞳、私よりもすらっと高い背。



あの頃は、いつも私の隣に居てくれて、いつも隣で笑顔を見せてくれてた。


――このアルバムも……、もっと2人の写真でいっぱいになっていくと思ってたのにな……。


でも…、この数枚しかない写真でも、


桜の木の下で同じ高校の制服を着ている写真も、


初めてのデートで遊園地に行ったときの写真も、


いつも2人、笑顔で写ってる。



……嘘なんかつかないで、無邪気に笑ってたね…。



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