超モテ子の秘密


――あれから、数日が過ぎた――。


私は棚に並べられた本たちにかぶったホコリをハタキでおとしていく。


今日は日曜日だから、1日バイトなんだ。



相変わらずここは、古い本の香りにつつまれてる――。


ここにいると、時間がゆったりと流れて、心がほっとするの。


なんか不思議だよね。


仕事場なのに、いつからか安心できる空間になってた。


あれから、ゆっくりこの間のこともう一度思い出して考えてみたんだ。


確かに辛かったけど、マイナスなことだけじゃなかった気がするの。


陸人と別れたことも、

理香にもらった言葉も、

私に過去と向き合うきっかけをくれた――。


もちろん陸人のことが全て吹っ切れたわけじゃない。


でもね、私ちゃんと前を向けるようになったんだ――。


だから、悲しいことばかりじゃなかったなぁって思うの。



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