超モテ子の秘密
発覚
――登校途中の私は、ふと左側に見えたあるものに目をうばわれ、足を止めた。
和風な家の庭先に紫陽花の花が咲いているのが見えたのだ。
青々とした大きな葉たちに、きれいな水色の花が引き立てられている。
ここに越してきてから初めて見る紫陽花の花だ――。
きれいだなぁ――。
いつから咲いてたんだろう?
毎日通っている道なのに、全然気付かなかった。
「さーやか、おはよう!」
「おはよ、折原。」
私が2つの声を聞いて振り向くとそこには、仲良さそうな理香と岡田君が立っていた。
「あぁ、2人ともおはよ。岡田君、この間は理香借りちゃって、ごめんね。」
私は少しにやけながら、早退した日、理香を借りてしまったことを岡田君に謝った。
「い、いや、べ、別にそんなこと……。」
「もう〜、さやかぁ!」
口ごもるシャイな岡田君と膨らました頬を赤く染める理香を見て、私は思わず笑った。