超モテ子の秘密

「……折原先輩と私は全く違う。」


愛奈ちゃんは静かにそう言うと、少し顔を上げた。


そして、私の肩を掴む手に徐々に力が加わる。


「何もしなくても人気があって、みんなに慕われて………。」


人気なんか関係ないってすぐ言い返そうとしたけど、できなかった――。


眉間にしわをよせ、悔しそうに話すのとは裏腹に、愛奈ちゃんの頬にはとめどなく光るものがつたっていたから。


「先輩には、本当の友達もいるし、彼氏もいる……。竹内君だって――。」


その時、愛奈ちゃんの瞳から大粒の涙が、床にぽたりと零れ落ちていったんだ。


その大粒の涙は、まるで愛奈ちゃんの想いのかたまりみたい――。


確かに愛奈ちゃんには酷いことをされた。


だから、

許すことはまだできないけれど、

愛奈ちゃんの心の奥の想いは、

その涙は――、

透明で、キラリと光り、

とてもキレイだった……。