超モテ子の秘密


愛奈ちゃんは不器用に自分の手の甲で涙を拭いながら、こう続ける。


「学年では…リーダーのような存在になったけど、いつもニコニコ…笑顔振りまいて、自分を作ってなきゃ…ならない……。」


声を少しつまらせながら話す愛奈ちゃん。


……作り笑い………。


その辛さは、私にもわかる。


「いつもいるあの2人だって、本当の友達じゃない…。ただ私とつるんでおくだけでしょ……。」


沈んだ声でそう言いながら、愛奈ちゃんは俯く。


こんなに弱気な一面があったなんて――、

愛奈ちゃんにこんな想いがあったなんて――、

初めて知った……。


「でも、そんなことどうでもいい。竹内君さえ振り向いてくれれば――。」


そう言う愛奈ちゃんの瞳は、まだ少し潤んでいたけれど、どこか強い想いに満ちていてまっすぐな瞳をしてた。


「自分を作っても……、本当の友達がいなくてもいい……。竹内君をずっと見ていられれば。」


いつも本当の気持ちがつかめない愛奈ちゃんだけど、今日は胸を刺すように愛奈ちゃんの想いが伝わってくる――。



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