超モテ子の秘密

「自分を作るのなんて辛いだけだよ。それは私にもわかるから……。」


「折原先輩なんかにわかってほしくないです!!」


食ってかかるように愛奈ちゃんが声を荒げる。


こんなこと言うけど、絶対辛いはずだ……。


「……わかるよ。私はいつも自分作って素直になれなかった……。だから、大好きな陸人とも別れることになったの。だから、だから……、その辛さは私にもわかるんだよ…。」


思い出すと、今も胸が少しだけ苦しくなって、両手を胸にあてた。


愛奈ちゃんは微かに驚いたような顔をした後、何か言いたそうな顔をする。


でも、何も言葉は返ってこなかった。



たぶんね……、愛奈ちゃんは私に似ているところがあるんだと思う。


でも、だからといって、あのことは………。



「それにこんな方法ももうやめて……。」


これはハッキリ伝えなきゃならない。


「話を聞いても、こんなやり方で人を貶めるなんて、やっぱり理解できないよ。」


私は愛奈ちゃんの目をまっすぐに見て、きっぱりと言った。


「竹内君のためなら、手段は選ばないって言ったでしょ。私は悪くない。綺麗事ばかり並べないで。」


愛奈ちゃんは私から体を横にそらすと、悪びれることなく淡々とした口調で言う。