超モテ子の秘密
私にも一つだけわかる気持ちがあったから、これだけは約束しようと思う。
「和也君には言わないよ。」
私が言った言葉に、反応した愛奈ちゃんは即座に私の方をむき、目を見開いた。
「何考えてるの!?バカじゃないの!!恩をきせようとしてるわけ?」
動転したようにそう言うと、私の肩に掴み掛かってきた。
私はその愛奈ちゃんの手首を掴み、はなさせる。
「違うよ。私には和也君に言う理由がない。そもそも私の問題だし、言えば愛奈ちゃんと同じことをしたようなもんでしょ?」
私はもうこれで終わりにしたい。
それに、話したって何もならないじゃない。
私は呆然と立ち尽くす愛奈ちゃんをおいて、放り出された鞄をとり靴を履きかえにいく。
「何で……?言えばいいじゃない。何でなのよ!?」
後ろで、擦れた声で泣き叫ぶ愛奈ちゃんの声がする。
だけど、私はすべて話したから、愛奈ちゃんをそのままにして、学校を出た――。