超モテ子の秘密
私は誰もいない家に着くと、大きなため息を吐いて、玄関にへなへなと座り込んだ。
……こんなことになるなんて…。
両手で顔を覆い、俯く。
きっとバレないって、過信してた……。
愛奈ちゃんのこともわかってなかった……。
まるで無理にピンと張った糸が切れてしまったようで、もう気力なんてない。
私どうしたらいい?
胸のなかが、今後の不安と自分への嫌悪感で溢れていく。
陸人の時とはまた違う苦しさが胸を締め付け、涙が出そうになる。
……でも、泣いたって何も解決しないよね。
私は少し上を向いて涙を引っ込める努力をした。
さあ、渡辺さんのところに行かないと…――。
やっとのことで立ち上がり、いつものように渡辺書店のエプロンを取りにいく。
……もうこのエプロンを着ることもないんだな……。
そう思いながら荷物を持ち、私はいつもと違って制服のまま、重い玄関の扉をあけた。