超モテ子の秘密


渡辺さんは手際よく日本茶を2つの湯呑に入れていく。


「……渡辺さん、私は……。」


お茶まで出してもらうなんて申し訳なさすぎる……。


断ろうとしたけれど、渡辺さんは私の前に湯呑を置いてくれた。


「遠慮する必要はないよ。」


渡辺さんはそう言いながら、ちゃぶ台を挟んで、私とあいむかいに座る。


「本当にすみませんでした、渡辺さん。」


私はもう一度謝った。


「いいんだよ。でも、何でこういうことになってしまったんだい?」


渡辺さんは一口お茶をすすり、私に聞いてきた。


「実は、今日学校に行ったら、私のことについて色々書かれた紙が張り出されてたんです。その中にバイトのことも……。それでバレてしまいました。」


話していたら、少し苦笑いをこぼれた。


「そうか。そんなことが……。辛かっただろうね…。」


「……私がバイトしてたのは本当だからしょうがないです。」


私は俯くと、ぼんやり一点を見つめこう続けた。


「……でも、私を慕ってくれてる後輩まで巻き込んでしまって…。なのに、その後輩も親友も私のこと庇ってくれて。……いっぱい迷惑掛けちゃいました……。」


本当に私はダメダメなんだ………。



< 392 / 461 >

この作品をシェア

pagetop