超モテ子の秘密
渡辺さんは手際よく日本茶を2つの湯呑に入れていく。
「……渡辺さん、私は……。」
お茶まで出してもらうなんて申し訳なさすぎる……。
断ろうとしたけれど、渡辺さんは私の前に湯呑を置いてくれた。
「遠慮する必要はないよ。」
渡辺さんはそう言いながら、ちゃぶ台を挟んで、私とあいむかいに座る。
「本当にすみませんでした、渡辺さん。」
私はもう一度謝った。
「いいんだよ。でも、何でこういうことになってしまったんだい?」
渡辺さんは一口お茶をすすり、私に聞いてきた。
「実は、今日学校に行ったら、私のことについて色々書かれた紙が張り出されてたんです。その中にバイトのことも……。それでバレてしまいました。」
話していたら、少し苦笑いをこぼれた。
「そうか。そんなことが……。辛かっただろうね…。」
「……私がバイトしてたのは本当だからしょうがないです。」
私は俯くと、ぼんやり一点を見つめこう続けた。
「……でも、私を慕ってくれてる後輩まで巻き込んでしまって…。なのに、その後輩も親友も私のこと庇ってくれて。……いっぱい迷惑掛けちゃいました……。」
本当に私はダメダメなんだ………。