超モテ子の秘密


「自分のことだから、自分で何とかしなきゃいけないのに、後輩と親友に守ってもらっちゃって……。渡辺さんをずっと騙してて……。自分が恥ずかしいです。」


すると、渡辺さんは思いもしない言葉を言う。


「さやかちゃんはそう思うのかい?」


「……え…?」


意味がよくわからなくて私はきょとんとした。


「年寄りの説教のような話になるけれど、人っていうのは、迷惑をかけ、そして、かけられるものだと思うんだがね。」


渡辺さんは悟ったように話しだす。


迷惑をかけ――、かけられる……?


私は渡辺さんの話に真剣に聞き入っていた。


「これだけ生きてると思うんだよ。一人でできることは、ほとんどないとね。だから、もっとまわりに頼ったらどうだい?」


渡辺さんが優しい目をして私に問い掛ける。


「………でも。」


甘えるわけには……。


私は思わず目を伏せる。


そして、渡辺さんは軽くため息を吐くと、こう言った。


「……そのお友達もそうだと思うが、私は迷惑だとは思っていないよ。その逆で、頼ってもらえたほうが嬉しいんだ。」



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