超モテ子の秘密
「実は私はね、さやかちゃんを孫と重ね合わせていたんだよ。だから、孫と過ごしているみたいで、とても楽しかったんだ。」
そうだったんだ……。
全然知らなかった。
「でも、私ダメな孫ですよ。おじいちゃんがいない私としては、渡辺さんみたいなおじいちゃんがいたら嬉しいですけどね。」
私が笑って言ってみせると、渡辺さんもつられたように笑ってくれた。
「嬉しいことを言ってくれるねぇ。ああ、そうだ。ちょっと待っていてくれるかい。」
渡辺さんは思い立ったようにそう言うと、徐に立ち上がる。
「…あ、はい。」
そう言うと、渡辺さんは居間から出ていった。
……どうしたんだろう?
私はそう思いながらも、やることのない私は、お客さんが来ないか居間から見て待っていることにした。
―――数分がたっただろうか?
渡辺さんの足音が戻ってきた。
「どうしたんですか?」
尋ねながら、渡辺さんの方を向いてみると、手には茶封筒を持っていた。
「今までさやかちゃんご苦労様。最後のバイト代だよ。」
渡辺さんは私にその茶封筒を差し出す。
「受け取れませんよ!今月は最後まで働いてませんし、渡辺さんには嘘をついてたんですから……。」