超モテ子の秘密
初めてバイト帰りの夜に助けてもらったこと、
一緒にグローブを買いに行ってくれたこと、
公園で泣いていた夜に傍にいてくれたこと、
将太も救ってくれたこと、
短い間なのに思い出せばキリがないね。
そのぐらい助けられてきた――。
「和也君にはいっぱい助けられたよ。ありがとう。」
……そして、……ごめんね。
私は最後の日まで何一つ返すことができなくて……。
「そんなふうに言われること、俺してないですよ…。俺、先輩のことが好きで、勝手にやってただけですから。」
こんなことをニッコリ笑いながら、さらっと言ってしまう和也君。
「…もぉ、和也君はっ――!」
いつもながらドキッとさせられる。
こういうのも和也君らしさの一つなんだろうね。
「そういえば、犯人って誰だったんですかね?」
「そんなの終わったことだし、もういいよ。ねえ、でも、和也君。もう少し自分のために行動して。処分も危うかったんだから。」
思い出したようにそう言ってきた和也君を私ははぐらかした。
「……すみません…。」
すると、和也君はしゅんとしてしまった。
まあ、いっか――。
「さあ、お弁当食べちゃお。」
「はい!!」