超モテ子の秘密
「あ、見つかった!」
理香はほっとしたように、小さなピンクの袋を取り出す。
「はい、これさやかに。」
そう言うと理香は立ち上がって、私に袋を差し出した。
「私に……?」
「うん。この間も言ったけど、当日見送りに行ったら、ボロ泣きしそうだからさぁ。」
私が聞くと、照れながら言う理香。
……そうだったね…。
理香とは今日お別れだ……。
「そっか。ありがとう。開けてもいい?」
「もちろん。」
私はワクワクしながら袋を開け、中身を掌に出す。
出てきたのは、ラインストーンがちりばめられた“R”のモチーフのストラップ――。
「これ――」
「さやか、これ見て。」
私は言われるがまま、理香がかかげているものを見る。
それは、ケータイ。
そして、そこからぶら下がっているいくつかのストラップの中に、あるものを見つけた。
――キラリと光る“S”の形をしたもの――。
「――理香ぁ…。」
心があったかくなって、目に涙がたまってくる……。
「私はさやかの“S”をもつから、さやかは理香の“R”をもってて。」