超モテ子の秘密


「――親友の証……ってとこかな……。」


理香の声は少し涙声っぽくなってきたけど、いつものように笑顔だった。


「……ありがとっ…。…大事に、……するね…。」


私も笑顔で言おうとする。


……だけど、

私はもう堪えきれなかった……。


嗚咽をもらしながら、泣く。


理香の気持ちがすごくすごく嬉しくて、

でも、その分とってもさみしくて……。


ストラップを持っていないほうの手の甲で涙を拭うけど、止まらない。


すると、私以外の泣き声が聞こえてきた。


「もぉ……、さやかが泣くから、……私も泣いちゃったじゃん……。泣かないって決めたのにぃ…。」


理香が俯いて泣きながら言ってくる。


「……ごめん…。」


――2人して今はもう思い切り泣いてる――。


「……これからもずっと親友だからね…。」


「うん…。」


「いつでも連絡してね……。」


「うん……。」


そんなやりとりを何度か繰り返して、私達はお互いの泣き顔を見て笑いあった。


「また会おうね。」


「うん。またね。」


これは“さよなら”じゃなくて、

“またね”なんだ。


私達はまた明日も会うかのように手を振って別れた。


理香、

本当にありがとう――。



< 450 / 461 >

この作品をシェア

pagetop