超モテ子の秘密
素直な気持ち
――ついに、この日が来た。
今日でこの街とはお別れだ。
迎えに着てくれたおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に、この街を発つ。
私達は今、おじいちゃんちに行くために、大きなボストンバッグを肩に背負いながら、高速バスが来るのを待っていた。
「天気がよくて、本当によかったわ。」
おばあちゃんがにこやかに言う。
「はい、そうですね。」
本当に今日はいい天気だ。
きれいな青い空が一面に広がっている。
まるで、私達を気持ち良く送りだしてくれてるみたい。
「これから一緒に暮らすのが楽しみね、あなた。」
「……そ、そうだな。」
おばあちゃんがおじいちゃんに声をかけると、おじいちゃんは少し曖昧に頷く。
私はそんな光景を見て少し微笑み、バッグの脇にあるポケットからケータイを出した。
理香からもらった“R”のストラップを見る。
理香たちと離れ離れになってしまうこと、いっぱいいっぱい悩んだけど、おばあちゃん達の言葉を聞いて改めて思う。
――これで、
おじいちゃんちで暮らすことを選んで、
よかったんだって――。