超モテ子の秘密

素直な気持ち



――ついに、この日が来た。


今日でこの街とはお別れだ。


迎えに着てくれたおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に、この街を発つ。


私達は今、おじいちゃんちに行くために、大きなボストンバッグを肩に背負いながら、高速バスが来るのを待っていた。


「天気がよくて、本当によかったわ。」


おばあちゃんがにこやかに言う。


「はい、そうですね。」


本当に今日はいい天気だ。


きれいな青い空が一面に広がっている。


まるで、私達を気持ち良く送りだしてくれてるみたい。


「これから一緒に暮らすのが楽しみね、あなた。」


「……そ、そうだな。」


おばあちゃんがおじいちゃんに声をかけると、おじいちゃんは少し曖昧に頷く。


私はそんな光景を見て少し微笑み、バッグの脇にあるポケットからケータイを出した。


理香からもらった“R”のストラップを見る。


理香たちと離れ離れになってしまうこと、いっぱいいっぱい悩んだけど、おばあちゃん達の言葉を聞いて改めて思う。


――これで、

おじいちゃんちで暮らすことを選んで、

よかったんだって――。



< 451 / 461 >

この作品をシェア

pagetop