超モテ子の秘密
「和也君は頼もしいよ……。だから、甘えたくなる。……そんな優しい和也君に頼ってばかりいられないよ…。」
ぼろぼろ涙が零れていく。
「私のためにもう無理してほしくなくて……、笑顔を失ってほしくなくて、忘れてもらうのが一番だって思ったの……!」
すると、和也君は私をまっすぐに見た。
「忘れられるわけないじゃないですか!……俺、無理なんかしてませんよ!
だって、先輩のことが好きだからっ――!」
和也君は涙を零しながら、悔しそうに叫ぶ。
強い和也君の想いが胸に突き刺さって、苦しくなる。
……心の奥にしまい、
押し込めてきた私の想い――。
こんなふうに言われたら、
もう我慢できないじゃん……。
私は拳を握りしめ、勝手に出てくる言葉を紡ぐ。
「……だからだよ…。和也君にいっぱい助けてもらったのに、私は何一つ返せてない…。まだ陸人のことが忘れ切れてなくて、和也君の想いにまっすぐこたえてあげられない……。」
……私はこんな人間なんだよ。
いい加減、私に失望してよ……。
「俺は先輩の傍にいられればっ」
「それじゃダメだよ!!私は弱いから色々言い訳して和也君に言えなくて…。こんな中途半端じゃダメなの……。」
……そう、私自身がそんな中途半端な気持ちじゃダメなの。
和也君の想いを、
私の中に生まれた想いも、
中途半端に片付けたくない。