アタシがホストになった ワケ
蓮は続けた。


「あ〜だりーよ。俺さ、女に
言いよられて困るんだよね、
だからNo.1キャバ嬢と
付き合っときゃ、とりあえず
魔除け?」


頭が真っ白になった。
いつもの蓮じゃない、
バカみたいな高い声。
別人のよう。


「モテすぎるのも苦労するよな、
まぁあと1ヶ月くらいで
限界かな。あとのフォロー
頼むな、美香。」


え、え。

み…か?――

みかってあの、美香?



嘘でしょ……



蓮の悪魔のような声が
突き刺さる。

痛みは麻痺してくる。


「ご褒美に、抱いてやるから」


とどめの一撃は
アタシに向けられるのと同じ、甘い声だった。







< 10 / 52 >

この作品をシェア

pagetop