アタシがホストになった ワケ
『たかサン、ありがとう
ございます!こんないいトコ、
本当にいいんですか?』



「あ〜、使ってないから、
きにすんな。ほら、飯!

テキトーに買ってきたから。
プリンとか買うのスゲー
照れたわ(笑)」


たかサンは大笑いして
コンビニ袋をキッチンに置いた。


『え〜嬉しい!プリ〜ン♪』


ダッシュでキッチンに向かう。←広いから遠い。


「あと、ほら。」


たかサンが差し出したのは
最新の白いケータイ。


『え?』


「いつまでも電源オフってたら
連絡取れねーだろ?」


はぁ、すごい気のきく人だ。

キングオブホストとは
あなたのことよ(笑)


『ありがとうございます。でも
こんなにしてもらってなんか、
申し訳ないデス』


「いーよ、きにすんな。」

たかサンは缶コーヒーを
飲みはじめた。


店には、休むことを伝えた。


たかサンは、昨日の会話以来あの話は一切しない。


1人でじっくり悩めってコト
だよね。


大人だな。



たかサンが他愛ない会話をし、
帰っていったあと
アタシは新しいケータイを
見つめて、ボーッとしていた。



喜んでみせたプリンも、
結局、食べなかった。
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