アタシがホストになった ワケ
時間もかまわずたかサンに電話
した。


プルル――…プルル――…


「どした?萌?」


『たかサン!アタシ、ホストやる』


「おぃ、ちょっと待てよ?」


『やるから、やらせて!』

「一回落ち着け?今さ、朝の
4時。お前、大丈夫か?」

『えっ?あ、ごめんなさいっ』


興奮してたけど、我に返った。


「いや、起きてたから
大丈夫だけどさ、
とりあえず落ち着け?

今、ちょっとしたら
帰るとこだったから、お前のとこ
寄るから、寝てな?」


『はぁい、ごめんなさい』

そういって、電話を切った。


窓の外は薄暗い。

超高層ビルの上の方だから下に街が見下ろせる。

お豆腐みたいなたくさんのビル。

うっすら白く、夜が明ける頃、

何か新しくはじまる予感に、
胸が高鳴っていた。
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