アタシがホストになった ワケ
「んじゃ、まず俺の構想を
話そう。

とりあえずはじめにその
金髪を黒髪にして、切るから。

そんで、軽く整形してきて
もらう。
今のままじゃ女らしすぎてダメだからな。

服は、テキトーに見繕って
今日中にここに送るから。
手配は全部やるから気にすんな。



『ちょっ、ちょっと待って、
展開早すぎ!』


「早く帰って寝ないと、
やることありすぎだからな。
帰るっつっても、ここの最上階
だから、ま、いっか(笑)」


『え?そうなの?って、
ちょっとさっきの話!』


展開早すぎて
ついていけない上に、
たかサンが同じマンションだった
なんて驚き!


「あぁ、わりー。とりあえず、
髪は切りにいけないだろ?
一応、萌華有名だからさ。
俺、ホストやる前カリスマ
美容師だったの、知ってた?」


『うそ、知らなかった!』

「だから、まずはじめに
髪をやっちゃおーぜ。キンパから
黒にしただけでだいぶ変わるし、
今のクルクルロングから
ショートになるわけだからな。」


『う、うん。』


「じゃ、とりあえず寝てくるわ。」


『アタシ、どうすれば?』

「まぁ、気持ち整理しとけ」


『グリッターには?』


「連絡しなくていーよ、
めんどいだろ?

萌華、失踪だよ。(笑)

ホントに“萌にゃん”は
いなくなるんだからな。」

後向きに手を振って、たかサンは
玄関を出ていった。

アタシ、本当にやるんだ、

ホスト―――…




< 26 / 52 >

この作品をシェア

pagetop