アタシがホストになった ワケ
「新しい店をはじめるって
いうのは聞いてるな?」

みんなが頷く。


「まぁ、お前らには、今の店は続けてもらう。」


みんながざわつく…


「俺は、No.1だけを集めた店を
作る。

つまり、お前らが店のNo.1
じゃなきゃ意味がない。

No.1じゃなくなったら、
入れ替わった奴と交代だ。」


海翔が口を開く。

「てことは、今の店でNo.1
でいる間だけ、その店で働ける
ってコトすか?」


「そうなるな。
コイツはちょっと例外な。」

そういってアタシを指差す。

みんなの視線が突き刺さる。

「なんでっすか?俺らだけ
かなり厳しいのに、コイツは
なんなんすか?」

蓮がたかサンに食って掛かる。

まぁ、無理もないケド。


「コイツは俺が見つけて、
育てたんだ。だから、ホストも
未経験だし、まだ若いんだ。

ただ、この店に置くには充分な
ルックスだろ?
コイツよりイケメンだと思う
やついるか?」


「なっ…たかサン…」

アタシは焦った。

こんなNo.1たちを相手に
たかサン何言っちゃってんだ。
と。

しかし、みんな下向いている。

「まぁ、顔だけ見たら、
正直、芸能人並だよな。」

「あぁ、オーラはあるよな、背はちっこいけど…」


えぇ!?
あれあれ?みんな?


「整い過ぎてキモいくらいだよ…」


口々に、そう言いながら
なぜか反論はなし。


たかサンは余裕の笑みを浮かべた。


「はい、じゃぁ文句なしな。No.1以外は働けない店だ。


店の名前は、


Climax(クライマックス)だ。」



< 46 / 52 >

この作品をシェア

pagetop