アタシがホストになった ワケ
「ここ…」

蓮がつぶやいた。

外観はほとんど誰も見過ごしてしまいそうな
地味なものだった。

中はどうなっているんだろう。。。

期待は高まる。

ドアを開けて、入ってみると

そこは、期待を大いに裏切るものだった。


そう、かなりシンプル。

「え、これって、これから?」

遊が、恐る恐るたかサンに聞く。


「いや、これで完成。」


「え…マジすか?」


みんなに不安げな表情が浮かぶ。


シンプルにもほどがあるだろ、と
言いたげなみんなの視線を感じたのか
たかサンが口を開く。

「いいリアクションだね〜。
ここは、みんなの意見を聞こうと思ってさ。」

「なんだ〜すげー焦った。」

遊が安心したかわいらしい笑顔を見せる。

「そういうのは、類が詳しいから、
類にちょっとお願いしようかな、
と思ってるんだけど。」


「え?お、俺?」

危ない、俺って言えたよ。


「いいじゃん、俺ら忙しいし、
オープンまで暇なんだからお前やれよ。」

海翔がめんどくさそうに言う。

男の人ってそういうのめんどくさいよね。

アタシやりた〜い(笑)

たかサン、女心わかってるよね〜ん。

「じゃぁ、とりあえずさ、
アイデアあったら類に
言ってな。」

そういって、ケータイ番号を
交換してみんな帰っていった。

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