アタシがホストになった ワケ
ビクンッ!


いつもの声よりさらにトーンを
落とした、低い甘い声。


こりゃ、断る理由ないっしょ?


しかもNo.1キャバ嬢の
アタシがカッコ悪いこと
できないし。
↑嫌なら断るだろ(笑)


『ううん、萌にゃん
うれし〜い♪』


蓮は、軽く笑って優しく頭をポン
と叩いた。


私たちのはじまりは
こんなに軽いものだった。

その日は一流ホストクラブ、
ギルドのホストを、アタシと
美香が独り占めならぬ、

ふたりじめして何時間かを
過ごした。


ホストたちも、接客というよりは
一緒に楽しく飲んでいた。

蓮はアタシの隣にずっといて
アタシの話し方や言葉に
いちいち笑ったり、ツッコミを
入れたりして楽しんでいた。


はじまりは楽しく、
まさかこんなことになるなんて
思ってもみなかった。
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